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会計検査院一職員のメモ検査報告>17年の検査報告

17年の検査報告(平成16年度決算検査報告のポイント)
 会計検査院が平成17年に取りまとめた検査報告は、17年10月に国会へ提出した2件の国会要請事項検査報告と17年11月に内閣へ送付した平成16年度決算検査報告の計3本である。前者も概要は後者に掲載している。このほかに、会計検査院法第34条又は第36条の規定に基づく処置要求・意見表示事項4件を公表しているが、いずれも決算検査報告の記載事項である。
 上記の3つの検査報告の内容は次のとおり会計検査院のサイトに掲出されている。  これらの検査報告について、ポイントを整理すると次のとおりである。
  1. 国民や国会からの期待に応える検査の実施
  2. 基本的な会計経理の検査の充実
  3. 業績の評価を指向した検査
  4. フォローアップ検査
  5. 特徴的な着眼点
  6. その他一般検査の成果から
 
 国民や国会からの期待に応える検査の実施
 会計検査院に対しては、近年、特に、様々な期待が寄せられ、その反面、その能力に対する懸念も提示されていた。今回の検査報告では、そのような期待に応える検査成果、懸念を払拭する検査成果を見ることができる。
 
 (1) 架空支出による別途経理の摘出
 広島、兵庫両労働局での架空経理や大学教授による科学研究費補助金の経理操作の発覚を受けて、この種事態を会計検査院が発見することの期待、あるいは発見できるのかという懸念が高まっていた。このような期待又は懸念に対して検査成果で応えることができた。
 
労働局:広島労働局で別途経理が発覚したことを受けて厚生労働省では16年に他の46労働局について特定監査を行い兵庫労働局で約3千万円の問題があったが他の労働局では不正経理は認められなかった旨を発表した。しかし、その後、兵庫労働局の問題がもっと多額であることが指摘され、他の労働局にも実際には存在しているのではないかという疑義が提起されたことを受け、参議院厚生労働委員長は16年11月16日の委員会で会計検査院に対し「全国の労働局を対象として、不正経理の有無を十分に念頭に置いた会計検査を実施し、その結果を本委員会に速やかに報告するよう要請」した。これを受けて、会計検査院第2局長が全国47労働局を17年度末を目途に検査することを国会で表明した。今回の検査報告では、7月までに会計実地検査を実施した25労働局の検査状況〔概要本文〕を報告。その内容は、25労働局すべてで事実と異なる書類に基づく不適切な支出等が存在。計27億43百万円。そのなかの兵庫労働局〔概要本文〕5億97百万円のうち5億89百万円は本省の調査によるもので、残り7百万円と他の24労働局の21億46百万円が本院の検査によるもの。そのうち6労働局で78百万円を不当事項として指摘〔概要本文〕。
 今後、18年3月までに他の22労働局を実地検査。

科研費:文部科学省の科学研究費補助金〔概要本文〕、厚生労働科学研究費補助金〔概要本文〕、日本学術振興会の科学研究費補助金〔概要本文〕において架空支出を指摘
 
 (2) 当事者の自己評価に対するメタ評価
 政策評価の本格化に伴い、会計検査院が評価の評価、すなわちメタ評価を行うべきとの期待が寄せられていた。これまでも政策評価に関しては9年度決算検査報告のかんがい排水に関する指摘を初めとする指摘事例があるが、事前の費用対効果分析についてテクニカルな修正を加えるものだったり、事業着手後の事情で費用対効果が落ちていることを指摘したものだった。今回の検査報告では、期待されていたメタ評価と言うにふさわしい検査成果が上がった。
 
築いそ事業の採択時評価概要全文〕:当局が事前の費用対効果分析で採択の可否を決定している補助事業で、分析方法に問題があること、的確な費用対効果分析に拠っていれば採択されなかったものが採択されていることを初めて指摘

新山村振興等施設整備の事後評価概要全文〕:当局は事後評価で利用実績等のアウトプット指標はフォローしているが、それが目標値を超えているものの中に、期待される事業効果の評価指標(アウトカム指標)の面では効果が十分でないものがあることを初めて指摘
 
 (3) 制度見直しの必要性に着眼した検査
 「会計検査の基本方針」では、従前から「業績の評価を指向した検査を行っていく。そして、必要な場合には、制度そのものの要否も視野に入れて検査を行っていく」としている。このような要否にまでは至らずとも、その規模等について見直しの必要性の有無を吟味する検査は求められており、今回の検査報告には、そのような期待に応える検査成果もあった。(政策評価と会計検査の関係についてはここを参照)
 
中堅事業者用の基金〔概要全文〕:末尾で「両基金の縮小等も含め、本制度の在り方について適切な対応を図るよう検討することが必要」と指摘

農業経営基盤強化措置特別会計の剰余金等〔概要全文〕:末尾で「資金規模の縮小も含め、基盤特会における資金の効率的活用を図るための方策を健闘する必要がある」と報告
   ↓
 この報告については、財務省の公表資料 (979kb)によれば18年度予算に▲295億円が反映されている。

電源開発促進対策特別会計の剰余金〔概要全文〕:末尾で「不要額の発生に対する歳入歳出両面を視野に入れた幅広い観点からの方策の検討を行い、上記の事態を本質的に解決するための方策の構築に務めることが望まれる」と報告
   ↓
 この報告については、財務省の公表資料 (979kb)によれば18年度予算に▲595億円が反映されている。

公益法人等に設置造成させた資金等〔概要(PDF・約58KB)全文(PDF・約1,264KB)〕:検討すべき事態が見受けられた33資金について早急に実効性のある見直しを行うとともに、所要の措置を講ずる必要があると報告
   ↓
 この報告については、財務省の公表資料 (979kb)によれば18年度予算に▲1214億22百万円が反映されている。
 
 (4) 国会からの検査要請2件の報告
 17年6月に参議院(決算委員会)から検査要請があった9件のうち、17年秋を目途とされていた2件を17年10月に報告し、要旨を決算検査報告に記載。残り7件は18年秋が目途。
 
公益法人等に設置させた資金等〔再掲:概要(PDF・約58KB)全文(PDF・約1,264KB)〕:13年秋に報告した検査のフォローアップ

先行して設立された独立行政法人〔概要(PDF・約58KB)全文(PDF・約1,264KB)〕:13年4月に国の施設等機関などが官庁から分離して設立された独立行政法人の組織運営の状況、財務の状況、業務実績の状況、情報の公表状況
   ↓
 この報告については、財務省の公表資料 (979kb)によれば18年度予算に▲2億万円が反映されている。
 
 基本的な会計経理の検査の充実
 「近年一部の府省において不正不当な事態が相次いだことも踏まえて、特に基本的な会計経理について重点的に検査を行う」との方針を定め、「17年次会計検査の基本方針」で明示。その成果は1(1)のほかにも数多くあり、分類して示すと次のとおりである。
 
 (1) 内部統制の厳格化
  ア 所定の会計手続の励行
国立大学病院の年度繰越〔概要全文〕:薬品等の代価の支払義務を限度以上に負い、不正規に債務を繰り越し、国立大学法人へ承継していた事態を指摘
大学病院におけるレセプトの資産収益計上〔概要全文〕:請求を保留しているレセプトに係る債権の計上処理を誤っている事態を指摘
委託契約で取得した研究用物品〔概要全文〕:委託契約で取得した物品は発注者に帰属することとしているのに特段の手続を定めることなく、受託者に保管させていた事態を指摘
 
  イ 職員からの請求・報告に対する審査・点検の的確な実施
 個々の職員からの請求・報告に対する審査・点検は比較的容易であり、また、職員間の公平を保つことは組織統制上も必要であるために、統制リスクは比較的少ないと考えられる。しかし、次のような指摘があった。
 
航空賃の請求:旅費のうち航空賃の支給は現に支払った額で精算することとなっているのに旅費請求書を十分に審査していなかった事態を税関〔概要全文〕と労働局〔概要全文〕で指摘

治癒の認定〔概要全文〕:公務災害補償の療養補償を受けている職員や元職員から提出されている現状報告書に、治癒の認定手続を開始する必要を示唆する医師の記載があるのに、これを点検していなかった事態を指摘
 
  ウ 合理性を欠く給与・手当・謝金の取扱い

 給与・手当・謝金の類は、会計担当だけでなく人事担当など点検を受ける機会が多いため、統制リスクは比較的少ないと考えられ。しかし、次のような指摘があった。
 
家裁の常勤医師〔概要全文〕:報酬を受けている部外での診療について給与の減額処置をしない外部研修としていたり、兼業の許可を与えつつ給与の減額処置をしていなかったりしている事態を指摘

委員手当〔概要全文〕:一つの官職で任命している非常勤の委員に対して、総会への出席とその部会への出席など当該官職の同一の日の異なる業務について、それぞれ日当を支払っていた事態を指摘

専門家謝金〔概要全文〕:一人一日当たりとして設定されている謝金を、半日についても一回として一日分支払っていた事態を指摘
 
 
 (2) 指摘金額を示しにくい問題への取組

  ア 債権回収努力
 未収金などについては、こうすればこれだけ回収できたはずだというような計数を技術的に示すことが困難であり、第三者機関としては取り上げにくい側面がある。しかし、このような問題について次のような検査成果があった。
 
高度化資金〔概要全文〕:増加している不良債権について中小企業基盤整備機構の債権管理態勢の一層の整備と都道府県の体制の充実が必要であるとして問題を提起

未納源泉徴収金〔概要全文〕:事務の集中化等により納付指導の効率化を図る要があるとも指摘

生活保護費に係る返還金等〔概要全文〕:事業主体において返還金等について督促など管理を十分に行っていない事態も指摘

不正通行〔概要全文〕:道路公団において未納通行料金等を完納しない者に対して所定の督促等を行っていない事態があることも指摘

技能者育成資金〔概要全文〕:雇用・能力開発機構において滞納者への督促が十分に行われていない事態を指摘

NHK受信料〔概要全文〕:未払者に対して十分に理解を求めていく必要がある旨を報告

住金延滞債権〔概要全文〕:回収の取組をより積極的に行う必要がある旨を報告

  イ 契約の競争性の確保
 競争性を欠いた契約について、競争性を確保していればどの程度経済的に契約できたかを技術的に算定することは困難である(ちなみに、裁判所については、民事訴訟において「損害が生じたことが認められる場合において、損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるとき」は、「口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。」(民事訴訟法第248条)と法律で規定されている)。しかし、契約の競争性に関しては、経済性の観点からではなく、つまりもっと安く契約できたはずという観点からではなく、合規性の観点だけで問題視する傾向になっており、今回の検査報告でも、その傾向が読み取れる。
 
電話関係の契約事務〔概要全文〕:電話関係業務で他の業者でも施工可能な工事を随意契約で発注していたことを指摘

研究用機器の調達〔概要全文〕:代理店が県内に一社だけしかなくても見積もりを他から取ることが可能だった事態を指摘
 
  ウ 事務の遅延
 事務の遅延は、それによる実害額の算定が困難であるが、次のような検査の取組が行われている。
 
給与所得に係る源泉徴収義務者の未納対策の遅延〔概要全文〕:給与に係る所得税源泉徴収義務者に対して法定納期限経過後、納税の告知までに時間を要している事態を指摘

私立学校施設整備等補助金の内示の遅延〔概要全文〕:補助事業の内定通知の多くを補助事業年度末である2月又は3月に行っている事態を指摘

ダム負担金〔概要全文〕:受益者負担金の徴収が開始されていない事態を指摘
 
 (3) 決算表示

ア 台帳登載価格

延長した滑走路〔概要全文:延長部分について価格改定を行っていなかった事態を指摘

沖縄の国有林野〔概要全文:国有財産台帳を整備するよう処置を要求

国立大学法人の資産計上是正〔概要全文〕:国有財産台帳の価額に問題があったために承継財産の価額が237億57百万円過小に、166億62百万円過大になっていた事態を指摘
 
イ 法人の財務諸表
 多くの独立行政法人や国立大学法人の財務諸表に対しては、公認会計士の監査も行われているが、国が半分以上を出資している法人に対しては会計検査院の会計検査も行われている。公認会計士の監査が当該法人の期間損益の時系列の適正比較の観点、つまり企業会計原則に言う継続性の原則を重視して行われるのに対し、会計検査院の検査は検査対象機関間の比較可能性を重視する。したがって、公認会計士の監査を受けた財務諸表についても会計検査院が指摘を行うことがあり得ることになり、次に掲げる指摘のうちにも、そのような指摘事例がある。
 
toto〔概要全文〕:実質的に繰り延べた債務を財務諸表の費用と負債に計上していなかった事態を指摘

国立大学病院のレセプト〔概要全文〕:資産及び収益の認識・計上処理を適切に行い、正確な財務諸表等の作成を行うよう、決算表示に至る前に指摘

国立大学法人のリースとレセプト〔概要全文〕:統一的な取扱いを行い、情報の比較可能性を確保する必要があるとの意見を表示
 
 業績の評価を指向した検査
 「会計検査の基本方針」で従前から「不正不当な事態に対する検査を行うことはもとより、業績の評価を指向した検査を行っていく」としているが、これは、各国の会計検査院が行っている Performance Audit (業績検査)=3E検査(Economy(経済性),Efficiency(効率性),Effectiveness(有効性)の観点からの検査)を意味している。その検査成果としては上記1の(2)(3)で掲げたものの外に次のようなものがある。
 
 (1) 制度は実効あるものとなっているか

  ア 制度改正の事後検証
 改正された制度が改正の趣旨を踏まえて運営されているかを検証した検査事例として次のようなものがある。
 
独立法人化した旧官庁組織〔再掲:概要(PDF・約58KB)全文(PDF・約1,264KB)〕:国会からの検査要請に対し、各法人が独立行政法人化した趣旨を活かした運営を行っているかという観点から検査

国民健康保険組合の適用除外申請〔概要全文〕:9年9月以降の加入者で政管健保の要件に該当する者については政管健保との均衡を図る観点から、国庫負担を低率とする改正が行われているのに、その趣旨が活かされていない事態を指摘

退職被保険者について届出を省略した適用〔概要全文〕:15年度から退職被保険者と一般被保険者の給付割合が同一になったことから、退職者医療制度の対象者については本人の届け出を省略して適用することができるようになったのに、その趣旨が活かされていない事態を指摘
 
  イ 制度は期待される利用者に利用されているか

課税特例(農地相続猶予、肉用子牛売却収入)〔概要全文〕:租税特別措置の適用者の所得等の状況を報告

訓練延長給付〔概要全文〕:受講指示に至るまでの職業相談に疑問が残る事態を指摘
 
 (2) 事務・事業は計画どおりに進んでいるか
 事務事業が当初の思惑どおりに進んでいないことを報告しているものとして次のようなものがある。
 
建替え事業〔概要全文〕:都市再生機構の賃貸住宅建替事業が、事業着手後長期化していたり、事業着手までに長期間を要したりして補充停止した住宅が利用されないまま負担が増加している事態を指摘

装備品等の研究開発概要全文〕:見積量産単価及び調達単価並びに見積量産単価前提数量及び調達数量の間に乖離が生じている状況を報告。研究開発の状況を取り上げた初の事例

地方道路公社〔概要全文〕:交通量の実績が計画を下回っている状況を報告
 
 (3) 事業・制度の実状と課題の提示
 財政統制の観点から異状を提示することが検査報告の目的であるが、近年は、国会からの検査要請の制度化に示されるように、制度の運用実態を報告することも期待されるようになってきた。このような、いわば制度運用実態報告型の検査の成果として次のようなものがある。

  ア 災害対策の進捗

 国民の安全という面で関心が高いと思われることから、実状について報告
 
電柱化〔概要全文〕:防災計画上位置付けられている電線共同溝について、占用予定者の入溝が計画的になっていなかったり、管理が十分行われていなかったりなどしている事態を指摘

官庁施設耐震化〔概要全文〕:地震災害時に防災拠点となる官庁施設が重要度・緊急度の高いものの耐震化の程度が低い状況を問題提起
   ↓
 この報告については、財務省の公表資料 (979kb)によれば18年度予算に45億円が反映されている。

海岸の高潮・津波対策〔概要全文〕:耐震性の確保が十分でない状況などを報告
 
  イ IT

港湾EDIシステム〔概要全文〕:港湾諸手続の情報化・簡素化を図るための電子申請システムが低利用となっている事態を指摘

社会保険庁オンラインシステム〔概要全文〕:使用料の算定等の課題を提示
 
  ウ 農業施策

資源循環のための肥料化施設〔概要全文〕:活用されずに汚泥が農地に還元されていない事態を指摘

肉用子牛対策〔概要全文〕:補給金制度について黒毛和種と乳用種の別に課題を提示
 
  エ 国の業務遂行

広報経費の執行〔概要全文〕:契約の競争性・透明性の確保などの観点から課題を提示
 
キ 自治体の業務遂行

埋蔵文化財〔概要全文〕:埋蔵文化財の保存に係る取扱いが適切に行われていない事態を指摘

レセプト点検〔概要全文〕:委託業者任せにしているなどの実状を報告
 
 フォローアップ検査
 「17年次会計検査の基本方針」で「検査の成果が、予算の編成・執行や事業運営等に的確に反映され、実効あるものとなるよう、その後の対応状況等を適時適切に検査するなどしてフォローアップを行う」ことを新たに定めた。その結果、既往の検査を更に深化させた成果が出てきている。
 
系統施行〔概要全文〕〔10年度報告の製造請負工事〕:前回の改善処置の実効性を検証

適用促進〔概要全文〕〔12年度報告の全喪処理〕:前回は廃業等の届出を出した事業所が実際は事業を継続などしている事態を指摘

郵便局資金〔概要全文〕〔2年度報告の郵便局現金準備額〕:今回は郵便局の実務レベルまで降りた検査を実施

電源特会〔概要全文〕〔13年度報告の電源立地勘定〕:今回は電源利用勘定も検査

公益法人等の資金〔再掲:概要(PDF・約58KB)全文(PDF・約1,264KB)〕(12年度報告の公益法人等資金):前回以降の新設資金も検査
 
 特徴的な着眼点
 
 (1) 時代を捉えた着眼点

  ア バブル崩壊後の後始末の状況

破綻2行〔概要全文〕、3セク融資〔概要全文〕、高度化資金債権管理、住宅公庫〔概要全文
 
イ 開発行為の減少
発掘から活用へ転換する埋蔵文化財施策〔概要全文
 
 (2) 改善策の中で既存システムをより活用する方策を提示
 近年、改善策として既存のシステムの活用を求める検査事例が出てきている。これは、実務ベースで実態を把握する会計検査院ならではの指摘と言える。
 
基板収容ユニット〔概要全文〕:システムの出力を支店で適宜閲覧できるように改善

給与所得の源泉徴収の未納を把握〔概要全文〕:端末で見えなかったデータを見えるように改善

技能者育成資金〔概要全文〕:貸付回収システムで要回収額を把握できるように改善

家畜共済〔概要全文〕:インターネット用に入力されているデータとの照合を行うように改善
 
 (3) より経済的な事務事業の遂行を求める検査事例

  ア 業務改善による節減

ガスタービン〔概要全文〕:使用実績から信頼性が確保されている予備機は、本機を搭載する艦艇の製造請負契約の中で調達するのではなく、その製造メーカーから別途に調達するよう改善
 
  イ 市場価格の考慮

健康診断〔概要全文〕、ゴム支承〔概要全文
 
 (4) 従来の検査経験を踏まえて全体の状況を調べる検査事例

ア 医療費

医療費の検査〔概要全文の経験を踏まえた市町村のレセプト点検状況の検査〔概要全文
 
イ 耐震性

耐震性の指摘〔地震で倒れる機器設置地震で壊れる橋〕を踏まえた官庁施設〔概要全文や海岸施設〔概要全文の耐震性の状況の検査
 
 その他一般検査の成果から
 以上のほかにも、16年度決算検査報告に掲記した検査の成果は数多いが、その一端を示すと次のとおりである。また、ほかに、決算の解説として、国の社会保障に関する経費の状況〔概要全文〕と国債管理の状況〔概要全文〕を記している。
 
 (1) 徴収

租税〔概要全文〕、年金保険料〔概要全文〕、労働保険料〔概要全文
 
 (2) 双務契約支出

ア 工事

実態と乖離した予定価格の積算:磁気探査の仮設足場費〔概要全文〕、検測待ち拘束費〔概要全文
 
イ 物品の調達

必要以上のオートバイ等の保有〔概要全文
 
ウ 委託

根拠の無い経費を含んだ委託費の請求:他の業務と重複している人件費を含んだ調査委託費〔概要全文〕、架空名目の支出を含んだ開発委託費〔概要全文
実態に合わない清掃委託費の積算〔概要全文
 
 (3) 社会保障支出

老齢厚生年金等〔概要全文〕、失業等給付金〔概要全文〕、特定求職者雇用開発助成金〔概要全文〕、医療費〔概要全文〕、労災診療費〔概要全文〕、介護給付〔概要全文
 
 (4) 財政援助

ア 補助金の交付・補助事業の実施

国交補助〔概要全文〕、農水補助〔概要全文〕、国保の財政調整交付金〔概要全文〕、経営革新等補助金〔概要全文〕、アナログ変換作業費〔概要全文
 
イ 貸付け

中小企業高度化対策〔概要全文