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会計検査院一職員のメモ辻敬一の時代>外部との交流活動


外部との交流活動

 会計検査院は憲法上の独立機関であり、往事は、孤高を持する風情があったが、この時代から積極的に外部との交流を図っている。  会計検査院のサイトによれば、現在毎年1回開催している公会計監査フォーラムは第1回が昭和63年である。この目的は、「公会計監査に関わる機関の関係者が一堂に会して公開討議を行うことを通じ、それぞれの監査活動の一層の充実を図るとともに、お互いの情報交換等を行っていくこと」と説明されており、総務省行政評価局、各府省の内部監査機関、地方公共団体、政府出資法人、日本公認会計士協会、学会が参加しているとされている。  このうち、日本公認会計士協会とは年2回定期協議を行っているとサイトに掲出されている。これによると平成15年が第37回とされており、年2回とすると、第1回はこの時期、ということになる。同様に「地方公共団体の監査当局との連絡会」の第1回もこの時期と推定される。  また、学者から投稿を受けている「会計検査研究」の創刊号も平成元年である。

 この時期は組織トップが対外説明に立つ機会もあった。昭和63年8月30日の衆議院決算委員会では次のような遣り取りが行われている。
○古川委員 来年度からは医療費や海外経済援助などの分野にも本格的に取り組もうとしておられるというふうに伺っておりますが、そのとおりなのかどうか。ということは、今まではそこは立ち入れない場所だったということになると思いますが、これまでも義務教育の生徒数の水増し、これは何回も指摘を繰り返しているところ。あるいは私学教員の補助算定にも不当な点があった。それもまだまだ指摘し切れない、いわゆる体制の弱さといいますか、検査院としては歯がゆい思いをしながら手が出せなかった、力が及ばなかったという面がたくさんあったのじゃないかというふうに考えるわけでございますが、その辺はいかがでございましょうか。
 さらにそれにつけ加えまして、「会計検査情報」によりますと、先般、八月二十五日でございますか、辻検査院長が全国都市監査委員会の本年度の定期総会で「会計監査の最近の動向」として特別講演をなさっておりまして、その内容が今非常に注目をされております。
 ここで院長は検査に関する十二章を示されまして、会計検査院に対する各省各庁の声あるいは思惑、あるいは国民の会計検査院に対する批判、要望、希望といったことも含めて十二章に分けてそれに答えておられるわけでございますが、こういう指摘をされるまでもなく、会計検査院の立場というのはこれからどうなっていくのかという聞き方は非常にまずいかもしれませんけれども、このように国民の皆さんの関心のますます高まっているときでございますので、その対応、御決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○三原会計検査院説明員 お尋ねの第一点でございますが、たしかに医療費などにつきましては、従来はどうもやはり専門的な分野でございまして、これが例えば過剰な医療費の請求があるのではないかというようなことにつきましてはなかなか私どもの力が及ばないところがございますので従来手をつけていなかったところがあるわけでございますけれども、そういった面につきましても、これだけ医療費の支払いが多額になりますと、何とか私どもの方でも少し医療費の分野にも切り込むように工夫、努力をする必要があるのではないかということで、ここ近年いろいろ研究をいたしまして少しずつそういった面での指摘は出てきているところでございます。
 なお、今後検査院についてはどうなるのかという非常に大きなお尋ねでございますけれども、特に昨今、このように税金の使い道について国民に大きな関心が持たれている時期に、私どもの使命を十分わきまえまして国民の皆さんの御期待にこたえるように今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。